転職経験者に学ぶ!職種別転職体験談

人間関係が大きく影響する看護業界では、リファラル採用もおススメな選択肢のひとつ。

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Aさん / 43歳 / 女性 / 東京都
転職前:看護師
転職後:看護師

転職成功

-転職前の企業での業務内容を詳しく教えてください。
透析室での看護に従事していました。はじめは外科系の病棟に配属されたのですが、そこの師長と折り合いが悪く、公平な態度で接してもらえなかったため、看護部長に相談し透析室へと配置換えとなりました。
透析室には夜勤はなく、早番、日勤、遅番の3シフトで稼働していました。腎臓内科の外来も担当していたため輪番で外来におりて業務にあたることもありました。
臨床工学技士と協力して朝はコンソール(透析用の機器)の準備や点検、患者さんが入室したら穿刺介助、落ち着いたら定期的なバイタルサインの測定、隙間時間をみつけて薬剤のミキシングと準備、午後透析の準備、患者さんが退室したら清掃やベッドメイキングなど、1日の業務はルーティン化していました。
ですが、高齢の患者さんも多く、透析中の急変もたまにあるため、気の抜けないことが多かったです。
-転職を考えたきっかけを教えてください。
私が透析室に異動して1年ほど経過したとき、他部署ではどうにも対応が難しいとされる職員が異動してきました。
病棟では患者からのクレームになり、化学療法室では同僚からの不満の対象となり、手術室では医師からのクレームとなり、どこにも配置できず透析室に異動となったスタッフでした。
そのあまりの仕事のできなさ、覚えの悪さ、視野の狭さ、良識のなさに辟易し、幾度となく本人に注意もし上司にも訴えもしましたが、そのスタッフが労働組合の構成員でもあるため、労働組合の力を借りて自分の正当性を主張するため、そのスタッフと同じシフトの時はだんだんこちらが気が滅入るようになりました。
そのスタッフの3倍近く働き、あまつさえそのスタッフのミスも事前に防ぎながら給料は同じ、ということに我慢がならなくなり、かつこの病院の組織風土や組織文化にうんざりしだしていたため、退職を決意しました。
-この業務だけはもっと続けたかったという業務があれば教えてください。
腎不全看護が嫌というわけではなく、透析室勤務が嫌でもつまらなかったわけでもないので、腎不全看護を離れることがもったいないなとは思いました。
また、部署内の係活動として、医師と共同で患者対象の健康教室を開催しその企画・運営を行っていました。その業務は正直楽しく性に合っていると思いました。
そのため健康教室の企画・運営、そのために先生とわいわい相談することができないというのは非常に残念でした。
-転職活動はどのように行いましたか?
正直、過去に嫌な体験をしてから、紹介会社を利用する気は全くありませんでした。
次の自分のキャリアプランや活動したい領域が明確だったため、自分で転職先を探しました。
-転職後の会社に入社を決めた理由を教えてください。
私が転職先を探しているという話を聞きつけた元同僚から連絡がはりました。その同僚は一足先に在宅領域に転職し訪問看護師として、かつステーションの管理者として活躍をしていました。
そのステーションで緊急時対応を始めていきたいこと、しかし現在いるスタッフではやる気もなくあまり意見を言わない人が多いため、組織の改革をしていきたいこと、そのために私の力を借りたい旨の話がありました。
職場が家から遠かったため一度はお断りをしたのですが、元同僚の熱意にうたれ、また在宅領域での仕事を探していたため、転職を決意しました。
-転職後の会社での業務内容を詳しく教えてください。
転職先は訪問看護ステーションのため、訪問看護に従事しています。
訪問看護は、ご利用者さんのお宅に伺い、依頼内容を加味して看護業務を提供します。病棟とは違い、決められた時間内にご利用者さんに関わり看護を提供するので、相手と蜜に接し関わることができます。フルタイム勤務で1日4~5件訪問します。
小さな事務所のため、所内の掃除や物品の点検整理等はスタッフが輪番で行っています。
また年に1回は研修をするようにと決められているテーマがあるため、毎月持ち回りで勉強会を企画・開催しています。広報活動も営業も自分たちで行わないといけないため、看護業務以外のことも多く、それはそれでやりがいもあり、楽しいと思います。
自転車で各お宅を訪問するため、天気が悪い時などは大変ではありますが、季節の移り変わりを肌で感じたり、思わぬ人との出会いや関わりで心が動かされることも多く、やりがいのある仕事だと思います。
-入社前のイメージと違っていたところはどんなところですか?
親も訪問看護師でしたのでよく話を聞いていましたし、自分でも調べたりしていたので「想像としていたのと違う」と思うことはなかったです。
-仕事の難しさ、辛さを感じた点はありますか?またそれはどのように克服しましたか?
看護の内容が多いと決められた時間が足りなかったり、話の長い方だと傾聴だけで持ち時間の多くと使ったりと大変なこともあります。ですが、毎回毎回が違っていて変化に富んでいるので退屈もしませんし、やはりやりがいがある仕事だなと感じました。
病院では決められたルールのある施設に患者さんを収容しますが、訪問看護は相手のお宅に医療者が訪問します。そのため相手のお宅のルールがあり、看護提供中に周囲を汚してしまえば損害にもなります。看護を提供する環境への配慮がより病院勤務より求められてきます。
そのため、必要物品は取り決めた場所に置く、周囲を片付ける、物品を置く場所にはあらかじめビニールや新聞紙を広げておく、などの工夫をしています。
また一人で訪問をするため、自分のケアや行動のチェック、内服をセットするときなど準備ミスがないかの点検なども一人で行わないといけない厳しさはあると思います。声出し確認や時差で確認するなど、点検の回数を増やして対応しています。
-仕事の中でやりがいを感じた(ている)部分はどこですか?
次第にご利用者さんやそのご家族の方とのコミュニケーションが増え、信頼関係が築かれていくこと、信頼関係が構築されてきた中でうかがえるご本人やご家族の物語をうかがえるときにやりがいを感じます。
ご利用者さんやご家族と相談し、一緒によりよい方法を検討し試行錯誤できているときにやりがいと感じます。
病院では患者さんへの清拭もずいぶんと簡略化され機械的になりましたが、訪問看護ではまだ「古きよき看護」が残っています。そうした看護を提供し、ご利用者さんに喜んでいただいたときに、看護の醍醐味を実感します。
-転職は成功でしたか?失敗でしたか?
この転職は成功だと思っています。
-なぜそのように感じましたか?
訪問看護は変化に富んでいるため、ルーティン業務に退屈を感じやすい私には性に合っていると感じています。また、私の能力やキャラクター等を評価して迎え入れてもらっており、今の職場で思う存分発揮できているので、転職できてよかったと感じています。
-この仕事の個人的な楽しみ方を教えてください。
とにかく自転車で地域を回るため、季節おりおりの変化が楽しめ、小さな発見が多いです。
裏道を通ってみたらそこで通るお宅の庭の花がきれいだとか、一見ゴミ屋敷にみえるお宅の複雑に組み立てられたモニュメントのようなものとか、必ず定位置に置物のようにして外を見ている猫とか、雨上がりに空に広がる虹とか。
ゆく先々、回る先々できれいな花や風景を見つけると、写真を撮って集めるのが密かな楽しみでもあります。
-この転職からどのようなことを学びましたか?
私の今回の転職は、私の仕事ぶりやキャラクターを知っている元同僚から誘われたものであるため、入職する私としても気持ちが楽な転職だと思います。
特に訪問看護ステーションは、病棟と違って規模も小さく、少人数で構成されます。そのため人間関係が職場環境に大きく影響してしまう傾向があります。一人でも自分を知っている人がいる職場は、他のスタッフとのコミュニケーションや信頼関係も構築しやすく、いいと思います。
転職活動において紹介会社を利用するのも一つの手段かもしれません。ですが、自分のこれまでの人間関係を見直し、かつて一緒に働いたことのあるスタッフの人脈を利用して転職先を探すのも、より確実でストレスの少ない転職になるのだと学びました。
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編集部レビュー ここがポイント!
人間関係がきっかけで前職を辞めざるを得なかったと言ってもいいAさん。
転職活動では、自分の仕事ぶりやキャラクターを知っている元同僚からの誘いを受けたことで、「想像通り」の転職に成功しました。
職場や人間関係が理由で退職した場合、次の職場の内情が事前にわかるリファラル採用は、マッチング率の高い選択肢のひとつです。
転職を考え始めたら、まず知人に相談してみるのも有効な転職活動と言えるでしょう。
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