転職経験者に学ぶ!職種別転職体験談

在宅看護での看取りは自分の家族のように感じてしまい、ご家族と一緒によく泣きました。

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Yさん / 56歳 / 女性 / 福岡県
転職前:看護師
転職後:訪問看護師兼ケアマネージャー

転職成功

-転職前の企業での業務内容を詳しく教えてください。
病棟看護師として三交代制及び夜勤業務を行いました。
労働災害、救急搬送、一般外来から入院までを担当。
各課ありますが私は脳外科・脳血管内科・整形外科・耳鼻科・眼科などの術前術後の看護を中心とした業務を行いました。
脳外科では、くも膜下出血・脳腫瘍・脳死状態の患者様の看護、整形外科では交通事故外傷・骨折・労働災害による手足の切断等の看護、耳鼻科・眼科は術前術後の看護と炎症による急性期看護、脳血管内科では脳梗塞や脳出血などの保存的治療が行われる患者様の看護でした。

患者様年齢は10代から80〜90代と幅広年齢層の方が入院されていました。
病棟看護師の業務はリーダーと部屋担当看護師・点滴や服薬の担当・外回り担当です。
ワンフロアABチームに別れており、部屋担当による検温や処置が行われ、リーダーに報告、リーダーが病棟師長に報告を行います。
看護師長はABチームの報告を受け、病棟内を確認して看護部長に報告をしています。
部屋担当看護師は、検査・手術管理などすべて行う必要があり各チームで協力し合って一日の業務をこなしました。
点滴や服薬管理はその日の担当者が責任を持ち、準備・確認を行います。夜勤は病棟により2人・3人体制と違いがありましたが、月に4回から六回の勤務で概ね希望通りの仕事が出来ました。
-転職を考えたきっかけを教えてください。
もっと働きたかったのですが、結婚・出産・引越をすることになりやむなく退職をしました。
子供を2人出産して育児休暇もあり福利厚生はとても恵まれていましたが、引越で通勤時間がかかる様になり、子育てで夜勤が厳しくなった事が退職理由でした。
-この業務だけはもっと続けたかったという業務があれば教えてください。
病棟経験が2年過ぎた時期からリーダー業務をしていました。
全体を把握する業務はとてもやりがいがあります。
看護師だけのチームで仕事をしていましたので、学びもたくさんあり論議も日々出来ましたので、チームケアはもっと続けたかったです。
また、労災病院の特長でもあるリハビリテーションについても学び実践する事が多くありました。
リハビリ課との連携もあり、リハビリテーション看護はまだまだ学びたかったです。
-転職活動はどのように行いましたか?
新居から歩いて5分の1番近い場所にある訪問看護ステーションに新聞広告を見て自分から面接に行きました。
あまり深く考えておらず話を聞きに行ってみようくらいの気持ちでした。
子育てがありましたので、勤務時間・業務内容・賃金等直接相談したかったので、電話連絡でアポイントを取り面接に伺いました。
ハローワークは面接後に行きました。
-転職後の会社に入社を決めた理由を教えてください。
理由は二つです。自宅に近い場所にある事が1番の理由でした。
また、面接をして頂いた管理者と話をした時に、この人と一緒に仕事をしたいと思いました。
病院勤務も考えていましたが、在宅看護を面接時に進められて新しい分野に就職してチャレンジすることを即日決めました。
-転職後の会社での業務内容を詳しく教をえてください。
訪問看護とケアマネジャー(以後ケアマネと記載)を兼任しました。最初は訪問看護から業務をしました。
精神科看護・ターミナル看護・障がい者看護・老年期看護等病棟では経験していない分野が沢山ありました。
精神科看護は、この法人が障害者福祉、就労支援などを主としていましたので、社会で生活をしている精神疾患をもたれている方々が対象でした。
またその様な精神科に強い訪問看護ステーションとして地域の方は思われており、精神科疾患の患者様の依頼が多かったです。

ターミナル看護は開業医の先生からの依頼でご自宅での看取りをされる方への看護でした。
ご本人には緩和ケア・ご家族には心のケアをさせて頂きました。
障害者支援としては、小児の患者看護及び母親の補助・レスパイトなど行いました。
老年期看護は、認知症の方や脳血管疾患・難病疾患等が多く、経験を活かせる看護展開や患者様との対話などがありました。
医療保険・介護保険・障害者支援等各制度を利用されていましたので、かなり法律の学習を深める事になりました。

訪問は会社の車で自宅に伺います。事前に主治医から訪問看護指示書が作成されますので、その指示書を元に担当看護師が訪問看護計画書を作成します。
この計画書に基づき個別看護を実施しました。検温・服薬確認・入浴介助・排泄ケア・食事介助・体位変換・移乗移動介助・リハビリ等実施します。
1人で訪問が基本ですが、ヘルパーが同行して2人訪問など看護師の負担軽減には管理者は気をつけてくれました。
担当者が毎回訪問する場合もありますが、訪問回数が多い方は誰でも訪問できるようにシフトされていました。

月末には主治医に報告書を提出して情報共有が行われ、新しい訪問看護指示書が出されます。
事務仕事としては担当制で受け持ち利用者の計画書と報告書を毎月書いて提出する必要がありました。
一日の仕事は、午前2件午後3件程度訪問する事がありました。午前だけ訪問等パートさんもいましたので、無理のない勤務でした。

ケアマネジャーは新規事業として立ち上げた時期でしたので、居宅介護支援事業を軌道に乗せるために取り組みました。
居宅を立ち上げた事を挨拶、宣伝活動も職員全員で行いました。
ケアマネ業務は新規ご利用者の申し込みがありましたらケアマネ3名で順次受け持たせていただきました。
初回面接から契約、ケアプラン作成等1人で担当しました。

時間がある時には事業所内でカンファレンスを行い、情報共有をする事で誰でも電話応対が出来るように心がけていました。
私はターミナルケアや認知症高齢者を担当させて頂きましたので、担当ケアマネと訪問看護の業務の双方向から利用者様を見させていただきました。
請求事務は事務員がしていましたのでケアマネがすることはありませんでした。
-入社前のイメージと違っていたところはどんなところですか?
入社前は病院しか知らなかったので、訪問看護ステーションも堅苦しいイメージを持っていました。
厳しい管理での仕事と思っていましたが、アットホームでなんでも話せる環境と緩やかに流れる勤務時間は良い方で違いました。
法人を調べていなかったので、精神疾患にこんなに深く関わるとは思っていなかったので、最初は戸惑ってしまいました。
-仕事の難しさ、辛さを感じた点はありますか?またそれはどのように克服しましたか?
病棟経験を積み、自分は在宅も簡単に出来ると勝手に思いこみ就職しましたが、全くわからない分野に苦労しました。
精神疾患の患者様への対応の難しさ、薬の副作用の早期発見などは管理者のアドバイスや一緒に働くスタッフにたくさん助けて頂きました。

管理者がしっかりサポートしてくれていたので、安心して仕事が出来たと思います。
病棟経験は役に立たないと思った事が何回もありました。しかしながら老年期やターミナルケアは脳外科勤務で身につけていた知識が役立つ場面がかなりありました。
主治医に連絡をしながら看護の方向性を考えられる様になり、ターミナルケアでは毎回ご家族と一緒に悲しんでしまいました。
病院での看取りは何回も経験しましたが、他の患者様がいるので泣く事はできないと思っていました。
在宅の看取りは関わりが深く自分も家族の様に感じてしまう事もあり、家族と一緒によく泣きました。
ご自宅でご家族を亡くされたあとのブリーフケアも大切な業務でした。

ケアマネ業務はご本人の思いとご家族の思いが正反対の場合もあり、どのように解決すれば良いのか悩むことがたくさんあります。
主介護者ではない息子が遠方から帰郷されて、自分に連絡がないと呼び出された事がありました。
ご本人を取り巻く家族関係の複雑さには毎回気を遣っていました。
介護サービスを利用したいのに経済的負担が大きく利用できない方、介護支援で解決できない家庭内の問題(虐待など困難事例)には無力感を感じます。
地域包括支援センターや保険者との連携が欠かせない業務です。
ケアマネ1人では解決できない事案は多いと思いますので、必ず報告と相談をしていました。
-仕事の中でやりがいを感じた部分はどこですか?
ケアマネジャーとしてサービスを導入する事で、ご本人の自宅での生活や家族の生活が楽になったと言われた時です。
関連事業者からも生活が改善しているなど報告を受けた時も嬉しいです。
病院等から依頼を受けてサービスが始まりますが、外来受診時等に医師から「ありがとう」や「任せる」などの言葉をもらえた時にまた頑張れる自分がいます。
2人目を紹介して頂いたりすると、認められた気がします。ご利用者が自宅で長く生活が出来る基盤を作る大切な時期に福祉用具事業者や訪問介護、理学療法士さん達とワイワイ話しながら作りあげる事は大好きな瞬間でした。
-転職は成功でしたか?失敗でしたか?
大成功でした。
-なぜそのように感じましたか?
全く知らない分野を学べる事ができ、それが自分の知識や経験となり嬉しかったです。
上司が信頼できる方でなければ、挫折した可能性もあると思います。
看護師資格を活かして新しい仕事としてケアマネジャーの資格取得を進めて頂き、仕事ができるまで導いてくれた上司に出会えて本当に良かったと思います。尊敬出来る管理者に出会えて自分のやりたい事が見つかりました。
-この仕事の個人的な楽しみ方を教えてください。
訪問看護は、利用者様に「ちょっと待っていて下さい。」と言わず対応ができます。
1人の方とじっくり向き合えるので、そのような看護が大好きな方、病棟で時間に追われて仕事している方には新境地だと思います。
利用者様の生活背景を深く理解できるのも病院ではあまりなかった事です。
生活背景や家族関係が見えてくると、今どうしてこうなっているのかがよく理解できます。
なんだそういう事だったんだとスッキリする時もあります。

ケアマネ業務にも言える事ですが、コミュニケーションが好きな方は、ご家族も含めて会話ができるので楽しいと思います。
かなり雑談も多く、仕事の終わりにご家族様からガーデニングや料理を教えて貰う事もあり楽しい時間があります。
私は犬好きなので訪問先のペットに癒されました。ケアマネは自分で時間調整ができるのでコツさえ掴めば予定が組みやすいです。
-この転職からどのようなことを学びましたか?
病棟業務から在宅勤務に飛び込みましたが、看護師の仕事の幅広さを実感しました。
病棟勤務が長いから質の高い看護ができるわけではないと感じました。
病院と在宅では関係性が真逆になります。在宅は利用者のホームグランドであり、ケアマネや訪問スタッフはご自宅にうかがう立場です。
病院はどうしても医療従事者が強い立場になります。両方を経験する事で私達の仕事はサービス業務なのだと強く感じました。病院勤務時は上から目線の対話をしていたんだなと反省しました。

今回は、良い出会いがありましたので、この転職は自分の経験を豊かにしてくれました。
人間関係は転職する時には最重要課題と思います。いろんな職種の方との連携など私には新鮮で楽しい時間でした。
ケアマネジャーはやりがいのある仕事でもっと深めていきたい仕事になりました。転職した先は比較的小さな事業所ですが、管理者は看護師としての豊富な経験と指導力を持たれた方で、安心して相談など出来ました。
思い切って新しい事にチャレンジすることはドキドキするけれど楽しいと思いました。
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