転職経験者に学ぶ!職種別転職体験談

看護師にも生活があり、結婚や出産、子育てのようなライフイベントに伴って、仕事先に求める条件も変化するはずです。

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Kさん / 41歳 / 女性 / 愛知県
転職前:看護師
転職後:看護師

転職成功

-転職前の企業での業務内容を詳しく教えてください。
眼科クリニックで問診、視力検査や眼圧検査、医師の診察時の介助をしていました。
また、白内障の手術の準備や介助をしていました。クリニックでは眼鏡の処方箋も作成しており、近視の眼鏡合わせもやっていました。
乱視や遠視はより技術が必要となるため、私はできませんでしたが、経験年数が長い先輩看護師は実施していました。眼科クリニックなので、採血や点滴といった業務は滅多にありませんでした。
-転職を考えたきっかけを教えてください。
前職では夜勤がありましたが、体力的につらかったので、クリニックを選びました。
しかし、人気がある病院だったため、受付終了時間を過ぎても仕事が終わらず、残業が多い状況でした。
地域に密着したクリニックであり、学校健診で受診を勧められた子どもから糖尿病や緑内障など定期受診が必要な大人の患者さんまで、様々な理由で受診されていました。
春や秋はアレルギー、夏のプールの時期はアデノウイルス感染など、季節に伴う変動もありました。
とにかく1日の患者数が多くて、忙しかったです。午前中のみの診察日は14時頃までかかることもありました。
また、手術介助の日は、午前診察と午後診察の空き時間も勤務しました。就職の面談時にその点の説明がなかったため、いざ働いてみてわかったことでした。水曜と土曜は午前の診察のみなので、トータルで週休2日ですが、実際は日曜祝日以外は出勤日であり、全体的に拘束時間が長いことがつらく感じました。
その割に、給与には反映されていないことが不満でもありました。
クリニック勤務の特徴のひとつですが、スタッフの数が少ないため、狭い人間関係で悩むこともありました。夜勤をしながら交代制で働くような病棟の勤務と違い、いつも同じメンバーで働くことになるので、人間関係の悩みは解決が難しいと感じました。
実は給与面での不満より、人間関係の方が転職理由としては大きかったように思います。ケガによりしばらく働けなくなったことをきっかけに退職し、ケガが治ってから転職しました。
-この業務だけはもっと続けたかったという業務があれば教えてください。
白内障の手術介助はやりがいがありました。前職の大学病院では内科勤務だったため、初めての経験でしたが、丁寧に指導していただき、患者さんの不安や負担が少しでも軽減されるよう、看護師として努めました。
スムーズに介助できるようになった時は、自分の成長を感じることができました。
私自身も近視があり、眼鏡やコンタクトを使用しています。合わない眼鏡やコンタクトは、日常生活において不便を感じることに直結するので、眼鏡の処方箋の作成についてももう少し関わってみたかったです。
処方箋の作成のための検査には技術が必要であり、私はそこまで到達できませんでした。看護師も関われる業務であり、視能訓練士や医師と相談しながら、技術を磨いていけたら良かったと感じます。
来院された患者さんと最初にお話をする問診も、私にとっては好きな業務でした。患者さんと接することが好きなのだと思います。
-転職活動はどのように行いましたか?
次の就職先が決まっていなかったので、退職後に失業給付を受け取りながら、転職エージェントに登録して探しました。
最終的にはハローワークの紹介で転職が決まりました。看護師の求人はたくさんあるので、もっとたくさんの転職エージェントに登録して、広い視野で探してもよかったように感じています。
-転職後の会社に入社を決めた理由を教えてください。
クリニックで働いてみたことにより、病棟看護師として患者さんへ直接的なケアをしたいという気持ちに気づくことができました。
眼科で採血や点滴をしなかったので、自分の技術にも自信を失くしていました。
継続的に行うことが技術を保つことに繋がると思い、そういった処置を行える所を希望し、自宅から通いやすい総合病院を選びました。
どちらかと言うと、条件面を重要視して選択しました。私が重要視した具体的な条件は、業務内容、給与の額、通勤時間、2交代制(3交代ではないこと)、車通勤が可能か、福利厚生は充実しているか、でした。
クリニックの場合、比較的給与が低く、福利厚生には期待できないところがあり、その面に不満があったのだと、転職を通して気づきました。
夜勤は避けたい気持ちもありましたが、やりたい看護を行うことを優先し、夜勤を避けるという条件は妥協することにしました。
-転職後の会社での業務内容を詳しく教えてください。
内科病棟で、バイタルサインチェックや病状の観察、注射や点滴、採血、検査の介助、日常生活援助(おむつ交換、入浴介助、清拭、口腔ケア)を行いました。寝たきりの患者さんも、週に1回は必ず入浴介助をしていました。日勤と夜勤、2交代制で勤務しました。
-入社前のイメージと違っていたところはどんなところですか?
子育てをしながら働かれている看護師が多かったです。大学病院で働いていた時は、子育てとの両立はできないものと感じていましたが、勤務時間外での会議や研修が少なく、残業も多くないため、ワークライフバランスを実現しやすいのだと思います。離職率も低いように感じます。いい意味でイメージと違いました。
また、勤務するまでこの病院のことをあまり知らなかったのですが、実際に働いてみると、地域からとても親しまれている病院であることがわかりました。
施設そのものは新しくないですが、介護施設と病院が併設していることがハード面での強みだと思います。
患者さんの状態に応じて、いちばんよい所で診てもらえることが、利用される患者さんや家族の安心に繋がると思います。
老々介護など、介護難民が問題視される昨今において、地域のお年寄り世代やその家族に寄り添う施設です。

新卒看護師の入職数は、大学病院と比較すれば少ない方ですが、新卒看護師に限らず、中途採用の看護師にも研修制度があります。
潜在看護師として数年過ごし、久しぶりに看護師として復帰する場合、自分の技術や知識に自信がなくて不安になったりしますが、教育制度があるので安心してよいと思います。
いちばん驚いたのは、男性看護師にも積極的に育児休業の取得を勧めていたことです。
2022年4月に育児・介護休業法が改正されましたが、それよりも何年も前からです。しかも、男性スタッフが申し出るより先に、管理者から提案していました。看護師不足が否定できない環境下ではありますが、それでもそのような取り組みをされているのは、スタッフを大事にしているからだと思います。
もちろん、他スタッフが男性スタッフの育児休業取得に不満を漏らす様子もありませんでした。
-仕事の難しさ、辛さを感じた点はありますか?またそれはどのように克服しましたか?
看護は日々発展していますが、業務の運営に関しては病棟内で既に決まったやり方があり、新しい視点や方法を取り入れることは容易ではありませんでした。
批判的思考を持ちながら業務している看護師は多くない印象です。
看護の質を上げようとする場合、時には残業が発生することも予想されます。気になったことは師長や主任に相談しました。
ただ、子育て中の看護師が多く、定時に帰宅できることが、スタッフの離職を防げている要因でもありました。簡単に解決できる問題ではないということを私自身も感じていて、思い切った提案をすることはできませんでした。
-仕事の中でやりがいを感じた部分はどこですか?
患者さんに直接的ケアができることです。
チームで看護を実践しますが、看護師は専門職であり、各々が良い看護を判断しながら実践しています。
患者さんが少しでも穏やかな気持ちで入院生活が送れるように、丁寧にケアを行うことを心がけました。
特に入浴介助の時は、普段は認知症により、反応の乏しい患者さんの表情が穏やかになるのを感じました。
気持ち良いと感じることが、人にとってどれだけ大事かを実感します。お風呂が好きなのかな、温泉にも行かれたりしていたのかな、と、患者さんの入院前の生活を想像しながらお話しし、その人らしさに触れられると、看護を提供している看護師自身にも相互作用があることを感じます。
そのような時は、やりがいを感じていました。
-転職は成功でしたか?失敗でしたか?
成功。
-なぜそのように感じましたか?
ワークライフバランスが実現しているからです。
看護師の仕事は、体力さえあれば、無限大に時間をかけられるような気がします。
それくらい、看護師としてできることがたくさんあります。
しかし、看護師も一人の人間であり、仕事以外の時間とのバランスをとることが必要不可欠です。
病院によっては、夜勤前に就業時間より早く来て情報収集にあてるような、前残業が普通になっている所もあります。
そのような慣習は、看護師の離職や潜在看護師の増加を招くだけだと思います。
-この仕事の個人的な楽しみ方を教えてください。
今はコロナ禍で難しい面がありますが、平日休みを有意義に使って、混雑していない安いタイミングで旅行に行ったりおでかけできることが楽しみでした。早くコロナが終息することを願っていますが、まだまだ難しそうです。
コロナ禍では、看護師という職業が、我慢や犠牲の上で成り立っている側面があります。そのような時代だからこそ、改めて、自分自身の看護師としての在り方や目指すもの、志を明確にすることが不可欠であると感じます。

看護師を目指した理由は人それぞれだと思いますが、どんな看護を行いたいと考えるか、それも人それぞれだと思います。
看護師の数だけ看護観がある、というのが私の考えです。
自分の看護観を実現すること、それは、最大限の仕事の楽しみだと考えます。そのためには、自分の看護観を自分自身に問うこと、つまり自分との対話をすることや、それを実現できる環境を探すこと(転職)を、悪いことだと考えないことも必要です。
看護師が活躍できる場はたくさんあります。たくさんの人に求められる職業です。奥の深い仕事です。とことん追求できる、興味深い仕事であると言えるのではないでしょうか。
-この転職からどのようなことを学びましたか?
転職をするということは、前職に何かしらの不満や価値観との不一致があるのだと思います。
転職先を探している内に、だんだん焦ってきてしまいますが、自分の譲れない条件は何かを明確にすること、また、その条件と合っているかを面接時に必ず確認すること、条件と合っていなければ、面接後であっても断る勇気を持つことも必要だと学びました。

看護師の業務は多岐にわたります。また、その行い方も、各施設で異なります。
施設見学をして、自分がしたい看護ができる環境か、自分の目で確認するとよいと思います。私は転職をするまで、仕事先を変えることが良くないことのように感じていました。
一か所で長く続けられる人が立派な人という価値観もありました。それが間違いということではありませんが、看護師にも生活があり、結婚や出産、子育てのようなライフイベントに伴って、仕事先に求める条件も変化が生じます。
転職を通して学んだのは、看護師が働く場は、同じように見えても様々であることでした。クリニックと総合病院というようなわかりやすい違いだけでなく、一見同じような総合病院であっても、それぞれの病院には理念があり、大事にしている価値観があります。
自分がコミットできる場所を見つけられると、モチベーションが上がり、働き甲斐にも繋がることを学びました。
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