転職経験者に学ぶ!職種別転職体験談

「実現したいことを明確にしてから活動する」ことが転職成功の秘訣

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Mさん / 28歳 / 女性 / 千葉県
転職前:内科病棟及び透析センター看護師/年収230万円
転職後:透析センター看護師/年収240万円

転職成功

-転職前の企業での業務内容を詳しく教えてください。
内科病棟では手術適応外のがん患者、内科疾患、認知症のレスパイト入院を対象とした看護業務です。2次救急病院の機能を持つため、中等症以上の緊急入院も担当します。
業務内容は、CVやIVH管理、内服薬・投薬管理、排泄ケア、褥瘡予防、化学療法前後のケア、認知症周辺症状の対応、看取りケア、生活習慣病への食事指導があります。主に認知症周辺症状への対応がメインとなり、異食症、離院、転倒を予防するための施策実施と評価を継続的に行っています。
またがん患者様はDNAR(心肺停止時の蘇生を試みないこと)を希望される方も多いため、緩和ケア病棟への転科対応や看取りケアの頻度も高いです。
委員会及び病棟会の開催は月1回ずつの頻度で、日勤者の終業後や夜勤明けスタッフも参加しています。業務が多忙のため、会議の資料作成や議事録は自宅で行っている方が多いです。

透析センターは慢性腎臓病患者を対象として、1日4時間、週3回の透析治療を提供しています。
透析曜日は(月)・(水)・(金)または(火)・(木)・(土)、透析時間は午前8:30~12:30または午後14:30~18:30までの2クールで実施しています。患者様の状態に応じて1時間の透析延長や臨時(追加)透析の対応も必要となります。
午前と午後の2時間インターバルの理由は、午前患者様が透析延長や体調不良によって帰宅困難になる場合があるため、余裕を確保しています。
職種は医師、看護師、臨床工学技士(以降ME)が居り、主に看護師は対患者、MEは対機器の業務を担って稼働しています。
看護師とME共通の業務は、プライミング➡体重測定➡除水計算➡穿刺➡回路接続➡透析開始➡医師回診➡除水再計算➡透析終了➡返血➡抜針・止血➡体重測定のようにルーチンとして行います。
看護業務はフットケア、糖尿病足病変の処置、食事指導、体重管理指導をメインとしていますが、患者様からご要望があれば旅行透析の手続きや、救急搬送された患者様の緊急透析も行います。また月2回(隔週)の採血検査、胸部レントゲン、シャント評価を行い、看護師とME同席のもと、医師回診にて適正なDW設定も欠かせません。
-転職を考えたきっかけを教えてください。
職場での新卒看護師いじめやパワハラを原因として、耐えかねたスタッフの退職・無断欠勤の常態化が転職を考えるきっかけでした。
私自身は、内科病棟から透析センターへ異動しましたが、そちらも元々スタッフの人間関係が不良な状態だったこと、また異動先スタッフの了承を得ずに私を異動させたため、同様の状況になってしまいました。
約6年前のことなので、現在は職場環境が改善していることを期待しています。
-この業務だけはもっと続けたかったという業務があれば教えてください。
こちらの透析センターでは、透析中の食事指導やフットケア等は経験できましたが、透析開始に伴うルーチン業務(穿刺~抜針まで)を経験できなかったため、透析看護師としてのキャリアを継続したい意志がありました。
-転職活動はどのように行いましたか?利用した求職支援サービスがありましたら、合わせて教えてください。
初めての転職活動に加え、強い引き留めによって退職交渉が難航したため、以下の転職サイトを活用しました。

サイト名:レバウェル看護(旧 看護のお仕事)

透析看護キャリアの継続を希望し、紹介された3つの透析施設を受けましたが、力及ばず不採用。内1施設との面接時に「転職会社を使われると採用費がかかるから、あなたを採用する割に合わない」と伝えられたことと、先に退職日が決まったことを受け、並行して直接応募を始めました。
透析未経験へのOJT研修が充実している「みさと健和クリニック」との面接にて、直接応募と意欲を評価していただき、有休消化中に内定をいただきました。
-転職後の会社に入社を決めた理由を教えてください。
新卒入社した前職ではOJT担当者の中途退職やパワハラなどで充分な卒後教育が受けられなかったため、OJTが充実していることは最重要条件でした。加えて新卒から透析看護師として活躍している先輩がいたことが入職の決め手になりました。
-転職後の会社での業務内容を詳しく教えてください。
透析業務なので前職透析センターと同様の内容でした。
唯一異なる部分は医師回診の方法です。前職では医師と看護師で回診していましたが病床数は前職25床に比べ、クリニックは72床と規模が大きいです。医師1人では透析時間内に回診を終えることができないため、クリニックではセクションごとに看護師とMEがペアとなり回診し、医師へ報告するスタイルを取っています。
-入社前のイメージと違っていたところはどんなところですか?
患者様の入れ替わりが一定数ある病院透析室とは違い、外来透析クリニックは村のような雰囲気と仲間意識が強い環境だと感じました。
入職当日のオリエンテーションで「新参者に厳しく接するスタッフや患者様もいるので対応に困ったら相談するように」と説明を受けていたため、さほどの驚きはありませんでした。
-仕事の難しさ、辛さを感じた点はありますか?またそれはどのように克服しましたか?
新入職者ではなく「新参者」として半年間は医師、ME、患者様からも厳しいご指導をいただくことが多くありました。中にはやや理不尽なこともありましたが、それは新参者への不安の現れであると理解していました。
業務について患者様からは「穿刺技術の未熟さ」、医師からは「回診時のデータ報告方法」、MEからは「チーム連携の未熟さ」について助言と指導をいただきました。いただいた内容を、毎日1つは達成できるよう取り組むうちに、1年後には信頼していただけるようになりました。
-仕事の中でやりがいを感じた(ている)部分はどこですか?
深い信頼関係を築けることです。
「いつもと何かが違う」といった感覚が育ち、あらゆる場面において「異常の早期発見」に役立ちます。例えば、穿刺時の血管の張り具合で「今日は血圧が下降しやすい」という予測が立てられるようになります。
また、外来透析クリニックは週3回あるいはそれ以上通う必要があり、この治療には終わりがありません。したがって生活と透析が密接に関わる環境です。通院歴10年以上の患者様もいらっしゃって、長く勤めるほど関係性が「親戚」のようになります。 入退院もないため時間をかけて「理解が深まっていくこと」にやりがいを感じています。
-転職は成功でしたか?失敗でしたか?
成功でした。
-なぜそのように感じましたか?
透析看護師としてのキャリアの基礎を築けたこと、そしてチーム医療を経験できたからです。
前職では叶わなかった「穿刺~抜針まで」のルーチン業務を始め、透析という体外循環治療は、1分1秒先に急変することがあるので予測とリスク対応、緊急対応のスキルを身につけることができました。また緊急時にMEと連携し、医師への提案をすることで円滑に対応できたことで、患者様の命が繋がった実績を残すこともできました。
最初は理不尽な出来事も経験し、つらい時期がありましたが「自分の学びなるものだけを吸収する」よう心がけたことが功を奏したと思います。
-この仕事の個人的な楽しみ方を教えてください。
透析看護は「これまでの普通がふつうじゃなかったというギャップ」を楽しめるといい経験になります。

ギャップの具体例
1. 看護師なら知っている血圧や採血データの基準値を覆す透析ならではの数値
2. 透析してもらえるからといって透析前日に加工食品やラーメン、フルーツを食べて心不全になりかける患者様多数
3. 信頼関係は穿刺技術で決まる/患者様から指名がある
4. ルーチン業務だけどイレギュラーがよく生じる

楽しみ方
1. 基準値ベースではなく「その人のベース」で状態を評価する
2. 透析前日の食生活改善指導や、透析への意識改革を働きかける
3. 穿刺技術は「新人を育ててくれる患者様」を見つけて高める
4. 常にリスク対策を考えて行動する

特に患者様との関係性について楽しみ方の工夫が必要です。病棟で接する患者様との関係性より、深くなるため良くも悪くも「慣れあい」が生まれます。こちらの指導や指示に抵抗する患者様もいらっしゃるので、一筋縄ではいきません。
程よい距離感を保つように自分が変わると、相手が変わることを体感する分野だと実感しています。
-この転職からどのようなことを学びましたか?
学んだことは大きく2つあります。
まず始めに「転職会社以外にも転職方法はある」ことです。
初めての転職活動なので、転職会社からのアドバイスやマネジメントを受けるメリットもありますし、担当者との相性が悪ければ変えてもらうこともできます。私の場合「転職会社を使うこと自体が内定獲得を困難にしている可能性」があったため、直接応募に切り替えたことが効果的だったと実感しています。
次に「転職をして実現したいことを明確にしてから活動する」ことが成功の秘訣です。
私は前職で経験できなかった「充実したOJTを受け透析看護の基礎を身につけること」を実現するために活動をしたので、今回の転職で叶いました。
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