転職経験者に学ぶ!職種別転職体験談

一人の方とじっくりとかかわりが持てることが、訪問看護の醍醐味です。

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Mさん / 35歳 / 女性 / 大阪府
転職前:訪問看護の看護師/年収250万円
転職後:訪問看護の看護師/年収250万円

転職成功

-転職前の企業での業務内容を詳しく教えてください。
訪問看護ステーションにて訪問看護業務
主なサービス内容としては、血圧・脈拍・体温測定などの健康状態のチェック、食事・入浴などの清潔介助・排泄などの介助、医師の指示のもと点滴・注射などの医療処置・在宅酸素や人工呼吸器の管理・指導、終末期患者様のターミナルケア、床ずれ等の創傷処置、床ずれ予防のケア・指導、在宅リハビリテーション、介護・医療相談、主治医やケアマネージャーへの報告書の提出・状態報告連絡などがあげられます。
-転職を考えたきっかけを教えてください。
小さなステーションであったため、管理体制や安全対策が不十分であり、訪問に対して不安がありました。個人の経験や判断に依存していることが多く、訪問看護ステーションでの仕事が初めてであったにもかかわらず、自身が一番臨床経験豊富であったこともあり、負担が大きかったと思います。わからないことは自信を持つことができず、精神的に負担が大きくなっていきました。指導してくださる方もいなかったため、マニュアルや教育体制が整ったステーションでの勤務を希望し、転職することとなりました。
-この業務だけはもっと続けたかったという業務があれば教えてください。
365日24時間看護体制を実施していたこともあり、重症度の高い利用者様が多く在籍されていました。輸液ポンプや腹膜透析、人工呼吸器やIVH管理など医療機器使用率が高く、医療行為も多かったため訪問看護師として疾患の理解や技術の習得など、幅広い経験を積むことができる環境でした。もし豊富な人材がいることや、指導体制・安全対策が整った状態であれば、転職前の会社で学ぶことは多岐にわたり、知識や経験を積むことができたと考えているため、環境が整った状態で、訪問看護の業務を続けていきたかったと感じています。
-転職活動はどのように行いましたか?
転職活動は以前から登録していた転職サイト(ナース人材バンク・メディカルドットコム)や転職エージェント(マイナビ・ナースではたらこ)から定期的に送られてくるメールマガジンをチェックしていました。気になった求人があった時には、応募や電話での相談を担当者と行うこともありました。しかし、転職エージェントさんからご紹介いただく案件は、お仕事の依頼先の契約もあるのか、多少条件が異なる会社様や企業様も紹介してくることがあり、自身の条件に合うところがなかなか見つかりませんでした。
また、転職サイトの担当者から、面接の前の転職先を検討している段階で、職場の雰囲気や実際に働いている人の生の声などを聞けることを期待していましたが、記載されている条件を説明していただくのみで、転職先の内情については詳しい様子ではありませんでした。転職先の面接に一緒についてきてくださることはこちらの条件を伝えやすいこともあり有用だと考えていましたが、今回は転職エージェントの紹介を通じての転職とはなりませんでした。
転職サイトでは、希望する転職先についてメールで問い合わせを行いましたが、自動返信のメールが届くのみで対応が遅く、タイムリーに転職活動を進めることができませんでした。
最終的には自分でWEB検索をして直接応募にて転職活動を行いました。
-転職後の会社に入社を決めた理由を教えてください。
転職先を決める基準として一番考慮したことは、事務所の立地です。訪問看護の特徴として、事務所の近くの利用者様を地域のケアマネージャーさんから訪問の依頼をされることが多く、自宅近くのステーションの場合、ご近所さんに訪問する可能性が高くなる傾向があります。
利用者さまの個人情報、家族構成や既往歴、健康状態を把握する仕事内容であるため、自宅から近いステーションは避けました。仕事とプライベートを分けることができ、なおかつ遠すぎず通いやすいステーションを選びました。
また、今回の転職で4回目となるため、面接官の対応も重視しました。面接官の言葉遣いや態度から職場の雰囲気がよさそうであると判断し、転職後の会社に入社を決めました。
私は、幼い子を持つ母であるため、緊急時のフォローアップが可能であるか、シフトの調整をお願いできるかどうかも、面接時に事前に相談させていただきました。条件をすべて聞くことはできないとの回答であったが、こちらの状況に理解を示してくださったこと、入社を即決で快く受け入れてくださる会社であったことも転職後の会社を選択した決め手となりました。
-転職後の会社での業務内容を詳しく教えてください。
前職同様、訪問看護の業務の実施。
また、通常の訪問看護の訪問業務だけではなく、クリニックの医師や地域のケアマネージャー、施設スタッフとの連携・営業活動の実施。管理者も訪問に行っているので関連する書類の作成や作成依頼なども看護師が行いました。レセプト業務は事務が行っていますが、必要な書類の確認・整備などは各担当者が責任をもって実施していました。そのほか、地域とのかかわりが深かったこともあり、地域ケア会議など、自治体が主体となっている会議にも参加させていただく機会がありました。
-入社前のイメージと違っていたところはどんなところですか?
転職後の会社の経営母体はヨガ・ピラティスのスタジオ運営をしていました。そのため、訪問看護事業でもヨガ・ピラティスのノウハウをリハビリとして提供しているとイメージしていました。社員研修やスタジオの入会も強制であると思っていました。もちろんヨガ・ピラティスを日々の訪問看護業務に活用しているスタッフもいましたが、会社からの強制はなく、あくまで個人の看護感をベースに主体性の尊重してくれていました。よい意味で、イメージと違いました。
-仕事の難しさ、辛さを感じた点はありますか?またそれはどのように克服しましたか?
訪問看護は利用者様とのマンツーマンでのお仕事であるため、病院などの環境とは異なり、すぐにほかのスタッフに報告・連絡・相談をすることが難しい環境にあります。そのため、現場の判断を自分一人で行わなければならない責任の重さは常に感じていました。一番難しいことは、看護はエビデンス(根拠)に基づいた判断を求められ、アルゴリズムなどで定められるようなこれをすれば大丈夫!というような、正解がないこと。同じ利用者様であっても同じ状況となることはなく、その時、その人の状況により最適な対応・ケアの内容は異なるため、より現場の判断が重要となります。
私の転職後の会社のスタッフは管理者を含め、皆が対等に意見を言い合うことができ、人間関係が極めて良好でした。訪問の現場で起こったとても些細なことも、事務所に帰れば情報共有し、「こうしてみたらいいかも?」「私はこうしているよ」と、ケアの内容を振り返り、共に考えアドバイスをくれる仲間の存在がとても大きかったです。時には雑談の中から「それ〇〇さんにもいいかもしれないから、やってみる?」と、アイディアが飛び出てくることもありました。
責任の重さが無くなることはないですが、経験を積むことで傾向と対策を学び、その責任の重さが看護のやりがいにつながっていくことに気づいた時、共に働くスタッフのサポートのおかげさまで仕事の難しさ、辛さを克服できたと考えています。
-仕事の中でやりがいを感じた(ている)部分はどこですか?
自分にしかできないこと、自分だから提供できる看護があること、あなたに来てほしいなどの利用者からの要望は、責任やプレッシャーが大きい反面、仕事の中でのやりがいにつながる部分です。訪問した時の利用者様の嬉しそうなお顔を拝見した時、自身の看護を通じて利用者様の状態が軽快した時、医師やケアマネージャーと目標を共有し、達成できた時の達成感は専門職として何よりのやりがいであると感じています。人の役に立つこと、そのために自分のできることが何か?が、明確になっていくことで、そのやりがいが訪問看護の楽しさ、モチベーションアップになると、私は思っています。
-転職は成功でしたか?失敗でしたか?
端的に言うと私の場合、転職は大成功でした。同じ訪問看護業界でも環境が違うと視点が変わり、業務内容も考え方も変わります。訪問看護のお仕事が楽しいと感じているが、環境などのハード面が整っていないために仕事に対してネガティブなイメージがお持ちの方は、ぜひ転職を検討してみてほしいです。一つのステーション経験で訪問看護をあきらめてしまうことは、とてももったいない、ほかのステーションでもう一度、訪問看護の業務にチャレンジしてほしいと思います。
-なぜそのように感じましたか?
・業務の流れを一元的に把握することで業務・業界の全体をとらえることができた
・上下関係が厳しくなく、人間関係が改善された
・自己判断が尊重され、主体的に動くことができるようになった。
・訪問看護が楽しいと感じることができたこと
上記4点が、私が転職に成功したと感じた理由です。
-この仕事の個人的な楽しみ方を教えてください。
病院のように、1日何十人と一人で受け持ち看護することとは異なり、一人の方とじっくりとかかわりが持てることが、訪問看護の醍醐味であると思います。おうちに訪問させていただくことで、利用者様の普段の生活がよくわかり、自然と距離が近くなります。看護師として訪問していますが、時には母のように健康についてアドバイスをし、娘のように利用者の趣味の話を聞き、楽しい時間を過ごすこともあり、一人で何役もこなしている自分が、少し楽しいな、と感じています。
また、外回りであるため春夏秋冬様々な季節を感じることが移動中の楽しみになっています。雨の日はつらいこともありますが、春や秋などの気候のいい時は移動自体が看護と看護の合間のリフレッシュタイムになります。
-この転職からどのようなことを学びましたか?
自分のやりたいことや不安や改善したい点は何であるのか?を、明確にしておくことが必要であると思います。また、面接時にも自分の条件や考慮してほしい点、不明な点については、事前にきちんとお伝えすることが大切だと思います。そのことが、入職後のギャップを軽減する秘訣であると私は考えています。自分の思っていることは相手に伝えないと伝わりません。自ら主体的に動くこと、自分の思いを言葉にすることが仕事を継続していくうえで大切なことであると、この転職経験から学びました。
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