障害を持つお子さんのデイサービス。親御さんの本当の気持ちとは?看護師が抱える疑問を解決
障害を持つお子さんのデイサービス。親御さんの本当の気持ちとは?看護師が抱える疑問を解決
この記事は、支援学校高等部を卒業した方対象のデイサービスで働く看護師の方からのご質問にお答えするものです。小児科での経験を活かし、デイサービスで利用者の方々のケアにあたる中で、親御さんの気持ちを深く理解したいという真摯な思いが伝わってきます。この記事では、親御さんの期待や不安、そして看護師としてどのように関わっていくことが、利用者の方々にとって最善のケアに繋がるのかを、具体的な事例や専門家の意見を交えながら解説していきます。
数ヶ月前から、支援学校高等部を卒業した方対象のデイサービスに勤務している看護師です。今までは、総合病院の小児科経験があると言う事で、小児の在宅の訪問看護で関わっていました。この度、同じ会社でデイサービスを立ち上げるに当たって、ナースが常在が必要(痰の吸引、胃瘻やマーゲンチューブからの注入食)との事で、私が部署移動と言う形で、関わらせていただく事になりました。
彼らは18歳以上とはいえ、身体は小さく、簡単なコミュニケーション取れるか、ア〜ア〜程度の発語がある。または、幼少期に筋ジストロフィーの診断が下った方々がメインです。
私には、小学生の子供が一人おります。
そこで、質問ですが、障害者をお持ちのお母様方は、デイに預けられるにあたり、どのような期待をお持ちなのか、正直な気持ちをこの場でお聞きしたいと感じています。
小さいし、知的障害があるから、絵本の読み聞かせをして過ごすので良いのだろうか… 作業として、月々のカレンダー製作。親子ハサミで型をチョキチョキ切る作業でよいのだろうか…
入浴介助とリハビリは、日にちを決めて、公平にさせて頂いております。前に訪問看護部門にいた時の所長は、彼らが身体がキャシャだから、『かわいい〜』という表現をしていました。私は、18年以上、一生懸命、育てて来られた親御さんの気持ちを考えたら、簡単に可愛いと言ってはいけないんじゃないか…赤ちゃん言葉も的してないんじゃないかと感じ、毎日モヤモヤしながら、通所してくれる方の全身状態を看ている昨今です。
障害をお持ちのお母様は、可愛い〜と言われて、嬉しいのか。今まで大変だった事も理解出来ない状態で、簡単に口走るにふさわしい言葉なんだろうか。私は、身体にいつもと違う‼と感じたら、お母様に連絡をいれ、状況も説明して、それから対応しています。
一人では食事摂取さえ出来ないから、赤ちゃん扱いにするのは、私の気持ちの中では、納得出来ないんです。STも昼食時には来てくれアドバイスしてます。褒めるとこは褒め、叱るとこは、叱る。こんな対応で良いのでしょうか。
健常児とは違い、痛い、痒い、しんどいが伝えられないから、常に普段と違う‼と感じたら、私の知りうる知識内で、看て差し上げてます。
このようなデイに通所させていらっしゃる、親御様の気持ち、何でも良いので、今後の参考に教えて頂きたく、質問しました。長文失礼しました。
親御さんの気持ちを理解するための第一歩
ご質問ありがとうございます。支援学校高等部を卒業された方対象のデイサービスで働く看護師さんですね。小児科での経験を活かし、デイサービスでの勤務を始められたとのこと、素晴らしいですね。利用者の方々のケアについて真剣に考え、親御さんの気持ちを理解しようと努力されている姿勢に、心から敬意を表します。
障害を持つお子さんを持つ親御さんの気持ちは、一言では言い表せないほど複雑です。長年の育児の中で、喜びや愛情だけでなく、様々な葛藤や苦労を経験されています。デイサービスに預ける際には、様々な期待と同時に、不安も抱えているのが現実です。以下に、親御さんの主な気持ちを整理し、具体的な対応策を提案します。
1. 期待:成長と自立への願い
親御さんは、デイサービスに対して、お子さんの成長と自立を強く願っています。具体的には、以下のような期待があります。
- 心身機能の維持・向上: リハビリや機能訓練を通じて、身体機能の維持・向上を目指す。
- 社会性の獲得: 他の利用者との交流を通じて、コミュニケーション能力や社会性を育む。
- 生活スキルの習得: 食事、排泄、着替えなどの生活スキルを習得し、自立した生活に近づける。
- 楽しい時間の提供: 遊びやレクリエーションを通じて、楽しく過ごせる時間を提供し、心の健康を保つ。
これらの期待に応えるためには、看護師であるあなたが、専門的な知識と経験を活かし、多職種連携を密にすることが重要です。例えば、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)と連携し、個別のリハビリ計画を作成し、実施することが求められます。また、日々の活動内容も、単なる時間潰しではなく、目標に基づいたプログラムを計画することが大切です。
2. 不安:安全と適切なケアへの願い
一方で、親御さんは、お子さんの安全や適切なケアについて、大きな不安を抱えています。特に、以下のような点について心配しています。
- 安全管理: 事故や怪我がないか、体調の変化に気づいてくれるか。
- 専門性: 医療的なケア(吸引、経管栄養など)が適切に行われるか。
- コミュニケーション: 自分の子供の気持ちを理解し、適切な対応をしてくれるか。
- 個別性: 個々の特性やニーズに合わせたケアをしてくれるか。
- 情報共有: 普段の様子や体調の変化について、きちんと情報共有をしてくれるか。
これらの不安を解消するためには、以下の点を心がけましょう。
- 丁寧な観察: 利用者の全身状態を注意深く観察し、異変があればすぐに親御さんに連絡する。
- 正確な情報伝達: 連絡帳や口頭で、日々の様子や体調の変化を正確に伝える。
- 積極的なコミュニケーション: 親御さんの話に耳を傾け、不安や疑問に寄り添う。
- 個別ケアの提供: 個々の特性やニーズに合わせたケアプランを作成し、実践する。
- 多職種連携: 医師、PT、OT、STなどと連携し、専門的なケアを提供する。
3. 言葉遣いと接し方:寄り添う姿勢
ご質問の中で、「『かわいい〜』という表現は適切なのか」という点について、悩まれているとのこと。この点について、詳しく解説します。
親御さんが、お子さんを「かわいい」と思う気持ちは当然のことです。しかし、デイサービスという場においては、一概に「かわいい」という言葉が適切とは限りません。特に、長年、お子さんの成長を支え、様々な困難を乗り越えてきた親御さんにとっては、お子さんを「赤ちゃん扱い」されることに、違和感や不快感を覚えることがあります。
では、どのような言葉遣いや接し方が適切なのでしょうか?
- 個性を尊重する: 利用者の個性や能力を認め、褒めるべき点は具体的に褒める。例えば、「〇〇さんは、絵を描くのが上手ですね」「今日は、自分でご飯を食べることができましたね」など、具体的な行動を褒めることで、自己肯定感を高めることができます。
- 丁寧な言葉遣い: 敬意を払い、丁寧な言葉遣いを心がける。
- 共感する姿勢: 親御さんの気持ちに寄り添い、共感する姿勢を示す。「今まで大変でしたね」「何か困っていることはありませんか」など、親御さんの気持ちを理解しようとする姿勢が大切です。
- 専門的な知識: 医療的な知識や専門的なケアを提供することで、親御さんの信頼を得る。
- 誠実な対応: 常に誠実な態度で接し、親御さんとの信頼関係を築く。
大切なのは、利用者の年齢や発達段階、個々の特性に合わせて、適切な言葉遣いや接し方をすることです。
例えば、知的障害があり、コミュニケーションが難しい利用者に対しては、
- 表情や声のトーン: 穏やかな表情で、優しく語りかける。
- ジェスチャー: 手を繋いだり、抱きしめたりするなど、安心感を与える。
- 視覚的なサポート: 絵カードや写真を使って、意思疎通を図る。
といった工夫をすることで、より良いコミュニケーションを図ることができます。
4. 具体的な活動プログラムの提案
ご質問の中で、「絵本の読み聞かせやカレンダー作りが良いのか」という点について、悩まれているとのこと。これらの活動が悪いわけではありませんが、より効果的な活動プログラムを検討することも重要です。
以下に、デイサービスで取り入れられる、具体的な活動プログラムの例をいくつか紹介します。
- 感覚刺激活動: 触覚、視覚、聴覚、嗅覚、味覚を刺激する活動。例えば、アロマテラピー、音楽療法、感触遊びなど。
- 創作活動: 絵画、工作、手芸など、創造性を育む活動。個々の能力に合わせて、難易度を調整する。
- 運動・リハビリテーション: 体操、ストレッチ、ゲームなどを通して、身体機能の維持・向上を目指す。
- 音楽療法: 歌を歌ったり、楽器を演奏したりすることで、感情表現を促し、リラックス効果を高める。
- 調理レクリエーション: 簡単な調理を通して、食への関心を高め、生活スキルを習得する。
- 外出レクリエーション: 公園散歩、買い物、動物園など、社会性を育み、気分転換を図る。
これらの活動プログラムを企画する際には、以下の点を考慮しましょう。
- 利用者の興味関心: 利用者の好きなことや得意なことを把握し、プログラムに反映させる。
- 個別の目標: 個々の利用者の目標を設定し、それに合わせたプログラムを計画する。
- 安全性の確保: 事故や怪我がないように、安全に配慮した環境を整える。
- 多職種連携: 医師、PT、OT、STなどと連携し、専門的な視点を取り入れる。
5. 親御さんとのコミュニケーション:信頼関係の構築
親御さんとの良好なコミュニケーションは、質の高いケアを提供する上で不可欠です。以下の点を心がけましょう。
- 定期的な面談: 定期的に面談を行い、利用者の状況や親御さんの悩みについて話し合う。
- 情報共有: 日々の様子や体調の変化について、連絡帳や口頭で丁寧に伝える。
- 相談しやすい環境: 親御さんが気軽に相談できるような、オープンな雰囲気を作る。
- 感謝の気持ち: 常に感謝の気持ちを伝え、親御さんとの信頼関係を深める。
- 積極的な傾聴: 親御さんの話をよく聞き、共感的な態度を示す。
親御さんとのコミュニケーションを通じて、利用者の情報を共有し、共に成長を喜び合う関係性を築くことが、質の高いケアに繋がります。
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6. 専門家からのアドバイス:より良いケアのために
より良いケアを提供するために、専門家からのアドバイスも参考にしましょう。
- 医師: 利用者の健康状態について、定期的に相談し、医学的なアドバイスを受ける。
- 理学療法士(PT): 身体機能の維持・向上に関するアドバイスを受け、リハビリ計画を策定する。
- 作業療法士(OT): 日常生活動作の改善に関するアドバイスを受け、生活スキル向上のためのプログラムを計画する。
- 言語聴覚士(ST): コミュニケーション能力の向上に関するアドバイスを受け、個別のコミュニケーション支援を行う。
- 精神科医: 精神的なサポートが必要な利用者に対して、専門的なアドバイスを受ける。
これらの専門家との連携を通じて、多角的な視点から利用者の方々をサポートし、より質の高いケアを提供することができます。
7. 成功事例:親御さんの声
実際に、デイサービスを利用している親御さんの声を聞いてみましょう。
事例1: 筋ジストロフィーのお子さんを持つ母親
「最初は、自分の子供を預けることに不安がありました。しかし、デイサービスのスタッフの方々が、子供の個性や状態を理解し、丁寧に接してくれるので、安心して預けることができるようになりました。子供も、デイサービスに行くことを楽しみにしています。」
事例2: 知的障害のあるお子さんを持つ母親
「子供は、言葉でのコミュニケーションが難しいのですが、デイサービスのスタッフの方々は、根気強く接してくれ、子供の気持ちを理解しようと努力してくれます。おかげで、子供も少しずつ成長し、笑顔が増えました。本当に感謝しています。」
これらの事例からも、親御さんがデイサービスに求めるものは、単なる預かりではなく、子供の成長を支え、安心して任せられる環境であるということがわかります。
8. 看護師としてのキャリアアップ
デイサービスでの経験は、看護師としてのキャリアアップにも繋がります。具体的には、以下のようなスキルを習得することができます。
- 多職種連携能力: 医師、PT、OT、STなど、様々な職種と連携し、チーム医療を実践する能力。
- 個別ケアの計画力: 個々の利用者のニーズに合わせたケアプランを作成し、実践する能力。
- コミュニケーション能力: 利用者や親御さんとの良好なコミュニケーションを図る能力。
- 問題解決能力: 予期せぬ問題が発生した場合に、冷静に状況を判断し、適切な対応をする能力。
- マネジメント能力: デイサービスの運営に関わり、スタッフを指導・育成する能力。
これらのスキルを磨くことで、看護師としてだけでなく、デイサービスのリーダーや管理者としても活躍することができます。
9. まとめ:親御さんの気持ちに寄り添い、質の高いケアを提供するために
障害を持つお子さんのデイサービスで働く看護師として、親御さんの気持ちを理解し、質の高いケアを提供することは、非常に重要なことです。親御さんの期待と不安を理解し、個々のニーズに合わせたケアを提供することで、利用者の方々の成長を支え、親御さんの安心に繋がります。
具体的には、以下の点を心がけましょう。
- 丁寧な観察と情報共有: 利用者の全身状態を注意深く観察し、異変があればすぐに親御さんに連絡する。日々の様子や体調の変化を、連絡帳や口頭で正確に伝える。
- 積極的なコミュニケーション: 親御さんの話に耳を傾け、不安や疑問に寄り添う。
- 個性を尊重した言葉遣いと接し方: 利用者の個性や能力を認め、褒めるべき点は具体的に褒める。丁寧な言葉遣いを心がけ、共感する姿勢を示す。
- 多様な活動プログラムの提供: 利用者の興味関心や個別の目標に合わせた、様々な活動プログラムを提供する。
- 専門家との連携: 医師、PT、OT、STなど、様々な専門家と連携し、多角的な視点から利用者の方々をサポートする。
これらの取り組みを通じて、親御さんとの信頼関係を築き、利用者の方々にとって、より良いデイサービスを提供できるよう、日々努力を重ねていきましょう。
今回の記事が、あなたの今後の業務に少しでもお役に立てれば幸いです。応援しています。
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